1970年代後半、若かりし頃の僕は、
感電しながらラックスマンの真空管キットパワーアンプKMQ-60を自作していました。
プリアンプは当時斬新なデザインのYAMAHA C-2a。
スピーカーは、JBL特有の匂いがウーファーから溢れるJBL4311。
お金はないが、音楽だけに情熱を注いでいた青い春。
時が経ち、ひょんなことから僕は今、
喫茶店のマスターとなり、ここに立っています。
どうせやるなら、これまで積み上げてきた自分の音へのこだわりを
いっぱいに詰め込んだそんな空間を作りたい、
それが「喫茶にょこ」のグランドプランです。
例えば、店内で使用しているのは、
W・E社製の300Bの球を使っているウエスギのモノラルパワーアンプ。
1920年頃に軍事用として開発されたW・E社の球は、トーキーやオーディオ用にも応用され、
300Bは誕生しました。
その形たるや真空管のミロのヴィーナスと言って良いほど美しく、
電気を灯すと、その出で立ちは情念に満ちた音の化身かのような魅惑のシルエット。
大型重量級プレーヤーYAMAHAGT-5000のストレイトアームの先には、
光電式カートリッジのシャープな針。
レコードの向こう側にいるジャズプレイヤーの魂は、
MARKLEVINSON LNP-2Lで熟成され、
ウエスギのモノラルパワーアンプで艶やかに増幅。
最終的に耳元に届くサウンドは、40年前のJBL4345を
ケンリックサウンドでレストアした、
ヴィンテージスピーカーのふくよかな音色。
ただのおじさんの自己満足、
そう思う方もいらっしゃるかも知れません。
でも、できることならみなさんにお伝えしたい、
この贅沢な音の素晴らしさを。
淹れたの珈琲とともに、
ぜひ一度、お味わいいただければ幸いです。
BOOK INTRODUCTION
書籍のご紹介
札幌の燃料販売会社が発行していた情報誌「Sun Clover」の人気コラム「Mr.Vee JayのJAZZナビ」をまとめた1冊です。 北海道在住のJAZZ愛好家・Mr.Vee Jayが、おすすめのミュージシャンやレコードから、ライブハウスやジャズ喫茶まで、ジャズの魅力を存分に語ります。 ジャズ初心者にもわかりやすく解説し、それぞれのナンバーをより楽しめるお酒などもご紹介しています。ぜひ店頭でお求めください。
JAZZ愛好家Mr.Vee Jay
(喫茶にょこマスター・丸井 順)
札幌市在住のJAZZ愛好家。楽曲だけでなく、オーディオ機器マニア でもある。1955年、網走生まれ、美幌で育つ。高校時代にFM放送で JAZZを聴き虜に。JAZZバンドの招聘やコンサートの企画・宣伝を手がけ、その活動は一般企業に勤める傍ら現在まで続く。ちなみにVee-Jayは、50年代末からジャズ作品などをリリースしたアメリカの伝説のレーベル名。
奥行きのある高品質サウンド。
無類の音楽好き、音響マニアのマスターが世界中から厳選した至極のオーディオシステム。ヴィンテージスピーカー、アナログプレーヤー、プリアンプ、パワーアンプに至るまで、そのすべてが音のクオリティを高めてくれます。
YAMAHA GT-5000
アナログプレーヤー
YAMAHA GT-5000は1982年にデビューした名機GT-2000の最新版で「Gigantic&Tremendous(途方もなく巨大な)」の頭文字をとって「GT」の2文字を冠した大型重量級プレーヤー(26.8kg)です。ACシンクロナスモーターによるベルトドライブ方式を採用し、ピュアストレート・トーンアームなど今の時代にふさわしい技術と素材が導入されたモデルです。
ソールノートE-2
フォノイコライザー
MC/MMカートリッジに加え、DSAudio光電式カートリッジにも対応。RIAA以前のOldイコライザーカーブに対応し、144種類のイコライジング・カーブを作成でき、熱く生々しい音楽空間を演出できます。
ソールノートS-3
CDプレーヤー
デジタル系とアナログ系それぞれに、2個の大型電源回路が搭載されており、非常に鮮度の高い生々しい再生音、そして重低域の質量感も十分にあり、長時間でも疲れない心地よいサウンドが響きます。
MARKLEVINSON LNP-2L
プリアンプ
MARKLEVINSON LNP-2Lは、1973年にリチャード・バウエン、ジョン・カール、トム・コランジェロが設計にあたり、マーク・レヴィンソンがプロデュースを務めた魔性のプリアンプで、 世界で1700台だけしか作られていないプレミアムな逸品。貴重なヴィンテージオーディオのサウンドは、時間を超越したジャズの神髄が聴こえて来るようです。
ウエスギU-BROS 330AHWE×2
パワーアンプ
上杉研究所は上杉佳郎氏により1971年に設立され真空管アンプメーカーとして今日まで地位を築いてきました。真空管の良さは永く聴いていても疲れず、刺激のない温かみのある音と艶、そして何とも言えないふくよかな響きにあります。その中でも330AHWEは、ウエスタン・エレクトリック社製の300Bを贅沢に2本使用して30Wを出力。300B真空管アンプを扱う者にとっては憧れの球で、その最上位モデルが、ウエスギU-BROS330AHWEと言えるでしょう。
JBL4345ケンリックサウンドスペシャルモデファイ
スピーカー
40年以上前に購入したJBL4345をケンリックサウンドに依頼してレストア。ケンリックサウンドは、オリジナルの良さを150%以上引き出すカスタマイズとオリジナルステンレス無垢削り出しホーンなど、チューンナップパーツの開発にも徹底している音楽通にはなの知れた存在。ウーファーとミッドバス、高域のマグネットとエンクロージャーはオリジナルを生かし、その他は数段グレードアップされ復活した「JBL4345」の高域の太い芯のある音や粘りのある低音をぜひお聴きください。